2008年8月8日金曜日

書評第二弾 ☆ 『マネジメント・開発・NGO「学習する組織」BRACの貧困撲滅戦略』(1/3)

こんばんは。3年のしもんです。

僕は月曜から金曜までゼミやアイセックでの合宿が続いていました。

やっぱり仲間と過ごすのは楽しいですね。スタツアが楽しみです。


さて昨日投稿したもよから、素敵な紹介を頂きました。


「スタツアに行くと決めた、その心。」


難しいですね。一言で言えば、「自分の目で見たいから。」ということでしょうか。

大学で格差を勉強してはいるけれども、机上の空論になっていないか?
それに対する恐れに、きちんと向き合うべきだと思ったんです。


今回の更新は書評の第2弾、キャサリン・M・ラベル 著 の、『マネジメント・開発・NGO「学習する組織」BRACの貧困撲滅戦略』です。この本に関して、僕は3回の更新で完結としたいと思っています。
一回目の今回は、この本の大枠と紹介を書きます。二回目は内容の詳細レビューを、三回目はスタディーツアー終了後に再読して、感想を書いてみたいと思っています。

この書評の進行とともに、準備の進行も感じていただければと思います。


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スタッフは約6万人。

年間予算は150億円以上。

教育・開発支援といった基幹事業のほかにも、学校や図書館の運営に加え、
マイクロファイナンスやIT技術開発など、ベンチャービジネスも展開している。

ちょっとした企業や自治体をはるかに上回る事業規模。


この団体、いったい何だと思いますか?
そう、これはBRACというNGOなのです。
しかしBRACも35年前には、バングラデシュの北部の一地域で活動する救済団体に過ぎませんでした。

(なぜ、たった30年でここまで拡大することができたのでしょうか?)
(なぜ世界中のNGOから尊敬とされ目標とされるNGOとなりえたのでしょうか?)

また、バングラデシュには、汚職にまみれ、経済は破綻し、国土は天災で荒れています。しかし、そんな国が年5%の成長率を維持し、BRICsに続く有力新興国「NEXT11」にも選ばれました。

(この変革は如何なる土台からおこなわれたのでしょうか?)
(BRACは如何なるコミットメントを行ったのでしょうか?)


そんな疑問に答えてくれ、かつ大いなるグッドケースを追体験させてくれる一冊だと思います。


でも、読む際に忘れないでほしいのは、この本の、著者の、そしてBRACの目的はただのグッドケースの共有を目的としてはいないのだと思います。

グッドケースを示すことによって、他の団体、そして読者が抱える問題に対して解決のヒントを、そして解決への希望を見せることにある。そんな意思を感じました。

興味を持っていただけたら、ぜひ手にとってみてください。僕たちと一緒に読み進めてみてください。
僕たちの小さな一歩一歩をぜひ共有していただけたらと思います。



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さて、明日の更新は3年のしょうじです。

ホントいいやつです。面白いやつです。
でも自分の気持ちや考えを言葉にするのは実は苦手な、愛すべき漢です。

なにを書いてくれるのか楽しみですが、
もよにならって質問を。

「このスタツアにかける思いを、”10文字以内”で表現してみてください。」

では、またお会いできる日を楽しみにしています!



しもん

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

通りすがりです。
「天災で国土は荒れ」という表現にちょっとだけコメントです。

日本から見ると毎年起こる洪水は天災ですよね。
でも、バングラデシュでは(正確にはインド・バングラデシュ地方では)
もともと何千年も洪水の起こる地方でした。

洪水がバングラデシュの国土の4割とかそういう範囲に肥沃な土を運んできます。
西遊記に出てくる三蔵法師が訪れた次代には
世界でも有数の穀倉地帯でした。

今でもバングラデシュの食料自給率は95%弱あります。
足りない分が、あまりにも貧しくて他国からの輸入が間に合って
いないために食べられない人も多いのが事実ですが、
洪水が起こることがまずいわけではありません。

また、見方によっては昨年のサイクロンは経済活動の少ない
地域での被害だったため、GDPで見るとあまり大きな影響は無かったといわれています。
(もちろん支援があっての話ですが)


人口の増加がとまらないので、自給率がだんだん下がる
こともわかってはいるので、何か手を打たなければならないことも確かです。
BRACでは農業に携わっていても小作農であるために
現金収入の少ない世帯への支援なども行っています。

shimony さんのコメント...

投稿者のしもんです。
匿名さん、コメント・ご指摘ありがとうございます。


一言で言えば私の勉強不足です。
また安易な表現であることもご指摘の通りかと思います。

でも、日本では、スタディーツアーのメンバーの中にも

「バングラデシュと言えば貧しくて大変な国だよね。」

という感覚を持つ人は多いと思うのです。そんな感覚が文章にも出てきたのだと思います。

ご指摘を頂いたことで、今後スタディーツアーの準備を通して、こういう安易な表現が消えていくかもしれません。
しかしスタディーツアーからの帰国後、まったく違ったものになっていくかも知れません。

私たちの成長・準備・気持ちを、このブログを通して感じていただきたいと思います。

また匿名さんには、今後もこのブログにコメントを頂きたいと思いますし、豊富な知識をもっと多くの場で発信していただきたいと思っております。

示唆に富んだコメントを頂きまして、本当にありがとうございました。