そんぴゅんです。
サブプライムローンに端を発した米国の金融問題で、
リーマン・ブラザーズ証券の経営破綻まで起こってしまいました。
他の大手投資銀行にも倒産の噂があるようで、
世界恐慌以来の大不況が来ると予想する専門家もいるそうです。
日本でも、世界でも、格差が急速に広がっている中、
世界的な不況になったとしたら、次にどんな問題が起こるのか、
すごく不安を感じさせるニュースだと思います。
ということで、今日は、表題の通り、
マイクロクレジットとサブプライムローンについて、書いてみます。
先日、岐阜女子大学・南アジア研究センターの
日下部尚徳氏をお招きして、スタディツアーの事前勉強会を行いました。
幾つかお願いしたテーマの1つとして、
2006年ノーベル平和賞受賞のグラミン銀行で有名になった、
マイクロクレジットという金融サービスについて伺いました。
このマイクロクレジットというサービスは、
貧困層に無担保で資金を融資することで、貧困から脱することを支援するもので、
1980年代初頭にムハマド・ユヌス氏がグラミン銀行で開始し、
その後はバングラデシュだけでなく、世界中の国々に広がったシステムです。
・本当の最貧層は対象から漏れてしまう、
・融資を5人組で受ける必要があり、相互監視によって信頼関係が壊れる、
・借金を前提にした社会システムになり、貯金しようとしなくなる、
などなど、様々な問題点も指摘されているようですが、
それでも、ノーベル平和賞を受賞されたように、
基本的には高い評価を得ていて、ある程度の成果も出ているということです。
ところで、ここ1年ほどニュースを騒がせているサブプライムローンも、
「貧困層を対象にした金融サービス」という点では、
マイクロクレジットと共通する部分があると、ずっと思っていました。
ただ、この2つには、決定的に大きな違いがあって、
マイクロクレジットは、貧困層を救うことが理想としてあるのに対し、
サブプライムローンは、貧困層が金儲けの手段として利用されたことだと思います。
サブプライムローンを利用する条件は以下の中から1つを満たすことです。
①過去12ヵ月以内に30日滞納を2回 or 過去24ヵ月以内に60日滞納を1回
②過去24か月以内に抵当権の実行と債務免除をされている
③過去5年以内に破産宣告を受けている
④返済負担額が収入の50%以上になる
経済や金融には全く詳しくないですが、
この4つの中から1つでも満たす人が、住宅ローンを返せるはずがないですよね。
住宅ブームが下火になり、消費が落ち込むのを恐れた不動産業界が、
苦肉の策として、本来は家を買えない層を、借金漬けにして、買わせてしまった、
というのが、この問題の根本だと思います。
さて、ここ数年、「社会起業家」という存在が注目を浴びています。
グラミン銀行、マザーハウスなど、バングラデシュの発展のために頑張っている企業も多いです。
しかし、この「社会起業家」という名前・存在は悪用されるリスクもあるように思います。
社会性を持った企業が増えることはもちろん良いことですが、
社会性を前面に出し、内実は貧困層の生活を破壊するような形で金儲けを行う企業が、
今後現われてくるリスクは非常に高いのではないか、と危惧します。
ちょっと話がそれそうなので、今日はこの辺で。
1 件のコメント:
社会企業家という言葉。
日本から見たら、社会企業家かもしれませんが、
バングラデシュから見たら立派な外資系企業。
バングラデシュにある企業を利用することで、
ベンガル人に雇用が生まれるという意味では、
けっこう大手の日系企業もいますよね。
YKKや伊藤忠、丸紅、UNIQLO、マルハ等。
イトーヨカードーや無印良品にもバングラデシュ産の
女性衣料が並んでいます。
支援や援助では無く、給料・対価として渡ってゆくお金
が増える方法を考えるのも良いかもしれません。
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