2008年11月9日日曜日

11月5日 スタツア最終日 JICA訪問など

そんぴゅんです。

スタツア最終日の11月5日は終日、
日本の政府系援助機関であるJICAのプロジェクトを見学しました。

今回見学したプロジェクトは、
『バングラデシュ母性保護サービス強化プロジェクト』というもので、
簡単に言うと、妊産婦の死亡率や新生児死亡率などの改善を目指すものです。

首都ダッカから2時間ほど離れた農村部を訪問し、
JICAとCARE(国際的に有名な開発系NGO)の合同による活動を見学しました。

バングラデシュでは、ショミティという20名程度のグループを構成して、
農村の人々が自分たちの問題を話し合って、解決を目指す活動が広く存在していて、
今回訪れた2つの集落でも、このショミティのミーティングにお邪魔しました。

一つめに訪れた集落のショミティでは、メンバーが毎月10タカ(≒30円)を出し合い、
現在のところ2020タカ(≒3030円)のお金が溜まっていて、
この資金を元に、出産に関わる緊急事態が村で起こった際に、搬送などの対応をしているそうです。

こうしたショミティの中には、
大きな資金を作って、搬送用のリキシャなどを所有するところもあるらしく、
「援助慣れした国」と言われることの多いバングラデシュでも、
村人たちの主体的かつ相互扶助的な活動について知り、勉強になりました。

さて、2つめに訪れたショミティは、実はまだ発足前のショミティで、
村の主に男性たちが集まり、そうしたグループを作るべきか、話し合っていました。
1つめのショミティでは、男性が代表ではありましたが、女性の発言力が強かったので、
村によって差があるんだなと感じる出来事でした。

JICAのスタッフの方によると、
車でほんの10分程度離れただけでも、進歩的な村、保守的な村など、様々だそうです。

その後は、末端で医療にあたる診療所を2箇所訪問したのですが、
いずれも、日本の医療機関と比べるまでもなく、非常に設備に乏しいもので、
頭では事前に理解できていたことですが、最貧国であることを感じさせ、ショックでした。

診療所で受けた説明で、もう1つショックだったことがあります。
それは、避妊のための注射(3ヵ月程度の持続効果だそうです)を十分な説明もないまま、
あるいは、説明しても、教育水準の高くない村人が理解できていないまま、
投与してしまう事例があるということでした。
注射でなく、手術として避妊させてしまうこともあるそうですが、
いずれにせよ、人権意識の低さや女性の地位の低さなどの問題を感じさせられました。

さて、JICAについて長くなってしまったので、
実はこのあとダッカ市内の事務所も訪問させて頂いたのですが、
その件については、また後日報告します。

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この日はスタツア最終日ということもあり、
バングラデシュで親しくなり、今回のスタツアで色々とお世話になった、
現地の日系企業の日本人社長と、その社長の現地スタッフの方のご厚意で、
バングラデシュのご家庭にお邪魔して、食事をご馳走になりました。
また後日、写真なども含めて、このブログに掲載したいと思います。


このあと、深夜2時の予定が3時半に遅延してしまった航空機に乗って、
無事日本に帰国することができました。


今後、一般公開の報告会や写真展なども開催します。
このブログでも日程など告知するので、お楽しみに!!

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