2008年9月17日水曜日

コミュニティという信頼関係

こんばんは。3年のしもんです。

最近は事故米の話題がメディアを賑わしていますね。食の安全が叫ばれる中、信頼関係とは何なのか。とても考えさせられます。友人から意図的に腐った食べ物を渡されたとしたら、業者の人も怒りますよね。要するに消費者・卸先は赤の他人なのでしょうね。せめて利害関係があることを理解していれば、そんなことはしないはずなのですが・・・

さて今回はバングラデシュにおけるコミュニティの社会構造を、おなじみの「マネジメント・開発・NGO」から紹介してみようと思います。バングラデシュの問題が如何に起きているか、考える端緒になれば幸いです。

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バングラデシュの村の社会構造には、
①断絶性
②依存性
③不利な立場
という3つの特徴がありますが、バングラデシュの村の社会構造を少し悲観的に(笑)説明する中で紹介していきたいと思います。

村の中には少しの富裕世帯と多くの貧困世帯がありますが、富裕世帯(パトロン)にいくつかの貧困世帯(クライエント)がぶら下がるという派閥がいくつも形成されています。そして、その派閥は互いに対立しており、関係は断絶しているそうです。

 このような現状から「①断絶性」の弊害が出てきます。
同じ派閥のなかでは、パトロンである富裕層が土地などの権利、外部からの援助、雇用機会などを独占し、資源の大半をコントロールすることで、派閥内の相互作用や協力が行われます。
 しかし、対立した派閥同士ではまったくそれが行われないため、派閥の構想は激化し、情報が制限され、最終的には派閥の長同士が、資源をめぐって抗争を始めてしまいます。

そのような状況の中ではクライエントである貧困層は、パトロンに「②依存する」しかなくなっていきます。土地の権利や雇用機会をパトロンに依存しているために、抗争という状況下では、確実にパトロンに対して支持を表明しない限り、自らの生活の安定は図れません。そのため、ますます富裕層への依存が進んでいきます。

 このような悪循環から、バングラデシュのコミュニティには、常に「③不利な立場」におかれる人たちが出てきます。お互いの情報交換を封じられ、富裕世帯への依存のもと、どうにかコミュニティにとどまり続けている。このような構造が、なかなか外部からの援助を貧困層に届けられない一因になっているそうです。

 私見ですが、このような社会構造に対するアプローチが、ショミティ(グループの意。参加型援助の典型としてつかわれる。)による貧困層の組織化であったり、マイクロクレジットによる富裕層以外からの資金提供なのではないでしょうか。


 ちなみにBRACはこの社会構造から学んで、完全に貧困層にターゲットを絞った活動を始めました。それがターゲット方式と呼ばれ、BRACの優れたマネジメント方法の一例として紹介されています。


コミュニティ内部での断絶による悪影響は大きなものがあるようです。コミュニケーション・信頼関係の重要性をもっと認識していきたいものですね。


今回はこの辺で失礼させていただきます。明日はかおりが更新する予定です。

では、またお会い出来る日を楽しみに。

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