2008年9月21日日曜日

労働搾取 or not?

あきこです*
今日で夏休みが終わってしまいます。
でも大学が始まるのも楽しみです*

今日は、『貧困の終焉―2025年までに世界を変える/ジェフリー・サックス』という本から、
はっとさせられた部分について紹介します。

***

ある朝早く、ダッカで驚くべき光景を見た。
徒歩で出勤してくるおびただしい人の群れが路上を埋め尽くし、
その行列はダッカ郊外、近隣の貧しい地域まで続いている。

よく見ると、そのほとんどは若い女性で、18歳から21歳くらいに見えた。
急成長するダッカのアパレル業界で働く女性たちは、
毎月何百万点もの衣類を裁断し、縫い合わせ、
パッケージにしてアメリカやヨーロッパに送り出しているのだ。

これまで何年もの間発展途上国の被服工場を見てきた。
洞窟のようなホールに何百人もの若い娘がミシンに向かって座り、
男たちは裁ち台に向かっている。
布地が流れ作業で加工され、
服が完成に近づくと最後にG●PやPOL●、イブ・●ンローランといったラベルが縫いつけられる。

毎朝、彼女達は無言の行列を作って仕事場まで2時間の道を歩いてくることも珍しくない。
7時頃に仕事場に着くと、それから12時間働くこともある。
休憩はほとんどないも同然で、ほんの短い昼休みかトイレ休憩がやっとだったりする。

辛くて単調な長い1日が終わると家路を辿るが、
その途中でも身の危険にさらされることがないとはいえない。


こうした労働搾取は先進国の抗議の的になっている。
そのような抗議は、彼女たちの安全と労働条件の質を高めるのに役立ってきた。
しかし、豊かで安全な社会で抗議活動をくりひろげる人々は、
そのような仕事がむしろ増えるように――ただし、安全な労働環境のもとで――働きかけるべきなのだ。
だから、バングラデシュのような国々からの衣料品の輸入を制限する
自分たちの国の保護貿易主義にこそ抗議して欲しい。


バングラデシュの若い女性たちはすでに近代経済という梯子の最初の段にしっかりと立っている。


また、バングラデシュの英字新聞で、
アパレル業界で働く若い女性たちへのインタビュー記事を読んだ。
その内容は感動的で興味深く、意表をつくものだった。

一人ひとりが労働条件の厳しさ、ハラスメントについて語っていた。
だが、その記事で最も強く印象に残り、また予想外だったのは、
彼女たちがこの仕事をそれまで考えられなかった大きなチャンスだと思っていて、
これによって生活がよりよく変わったと繰り返し述べていることである。

インタビューを受けた女性たちのほとんど全員が地方出身で、
とても貧しく、読み書きができず、学校にも行かれず、
長期に及ぶ飢えと高圧的な家父長制のなかで心身ともに疲弊していた。
彼女達が村に留まっていたら、父親の決めた相手と結婚させられ、
17歳か18歳で子供を産まざるを得なかっただろう。

仕事のために都会まで歩いてくるようになって、
若い女性はこれまで前例のなかった個人の自由を獲得する機会をつかんだのだ。

***

私はまさにこのようなアパレル関係の労働搾取の話を聞いて、
(バングラデシュではなく、ジャマイカでの●ommy Girlの話でしたが)
そんな労働はやめるべきでは!?と短絡的に思っていました。

様々な視点から物を見ないと、
イイコトだと思っても迷惑なことをしてしまうかもしれないですね。



この本はバングラデシュに限らず、世界の貧困について書かれているのですが、
世界の貧困の度合いや状態からみてバングラデシュはどういうところに位置するのかを
俯瞰する助けになると思います*

では今日は以上です*

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